ムハンマドを嘲笑する者に課される罰

『精神的マスナヴィー』1巻
ジャラールッディーン・ムハンマド・ルーミー

 

ムハンマドを嘲笑する者に課される罰

ある男が唇を歪め、嘲笑を込めてアハマド(ムハンマド)の名を呼んだ。
すると男の唇は、そのまま歪んで元に戻らなくなった。

男は慌てた。そして再び(ムハンマドの許へ)戻ってこう言った -

「ああ、ムハンマドよ!深遠なる知識の保持者よ。
どうか私に赦しを与えて下さい。
私は貴方を愚弄した。馬鹿げたことを仕出かした。
貴方を愚劣と決めつけたものの、愚劣なのは私の方だった」。

誰であれ、咎なき者を罵る者があるならば、
それは罵る者の衣を引き裂こうと神が望みたもうからだ。

誰であれ、悪口を控える者があるならば、
それは控えた者の咎を隠そうと神が望みたもうからだ。

我らを救わんと望み給う時にこそ、
神は我らを跪かせ、悲嘆の涙を流させる。

御方のために涙を流す瞳の、なんと幸せなことか。
御方を求めて焼かれる心の、なんと幸せなことか!

流された全ての涙は、やがては笑い声となる。
事の結末を知る者こそは、真に愛される御方の従僕。

水の流れあるところに、木々の緑は生い茂る。
涙の流されるところに、神の慈悲は示される。

悲しい時には涙を流せ - 水車のように軋んで泣けば、
緑に輝く香草が魂の中庭に芽吹く日も来よう。

涙を流す者達に寄り添って、共に涙を流せ。
悲しむ者達に寄り添って、彼らを慈しめ。

愛を求めるならば、愛を示せ。
虐げられた弱き者達の、傍に寄り添って彼らを愛せ。