この宇宙の魂

『ルーミー詩撰』
メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー

この宇宙の魂 1

 

大いなる軌道の内側に繰り広げられる
諸世界の何という不思議な回転
森羅万象が環となってめぐりめぐる この意識の大海!

その上をまるで杯のように 浮かぶわれらの泡が
またたく間に流れ去ってゆく
満たされれば沈むだろう 何もかもを置き去りにして
打ち上げる潮のしぶきも 泡もない海の底で

目には見えないその魂が すぐ近くまで来ている2
今この瞬間を飲み干せ! きみよ、水差しにはなるな
水を汲んでは注ぎ汲んでは注ぎ
やがて唇も石のようにひび割れるだろう

あるいは闇雲に遠駆けする騎手にはなるな
自らの腿の下の 馬さえも決して見ぬ者にはなるな

 


1. 『精神的マスナヴィー』1-1109.

2. 理性もしくは精神とは、人間の神的なエレメントであり、その内在性と、顕現されるその属性と影響の普遍性ゆえに、われわれの認知感覚からは遮られている。