聖者の水

『ルーミー詩撰』
メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー

聖者の水 1

 

その水は天国から流れ来る

地上の罪を洗い流すために

罪の全てが清められた後で

かつて清らかであった水は

汚辱と罪を引き受けて濁り

あらゆる純粋と清廉の泉へ

天国へと逆巻く急流となる

水はやがて新たな光を得て

再び地上へと流れて落ちる

輝く清純の衣の跡を遺して

その水は地上の聖者の精神

その水は天国から流れ来る

病める魂に注がれる神の水

その水は天国から流れ来る

地上に罪ある限り幾度でも

繰り返し流れては再び還る

水が自ら滅びを望まぬ限り

幾度でも天国から流れ来る

天国の最も純粋な光の泉へ

神へ還る終末のその日まで2

 


1. 『精神的マスナヴィー』5-200.

2. 聖者たちは、「人の世にあって、沐浴を果たし自らを清める」という自らに課された試練を果たすにあたり、精神的な活力をもたらす創造主による浄化( istighraq )を通じて失われた活力を取り戻し、強化される。