僕たちの流儀

『ルーミー詩撰』
メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー

僕たちの流儀 1

 

肉体の耳から流れ込む雑音で
心の耳を塞いでしまわないで
心の耳はとても華奢にできている
だからもう何も聞かないで

力を抜いて 何も考えないで

遠くから響いてくる –– 『還れ!』

あれは僕たちを呼ぶ声 いつの日かきっと
僕たちは還るのだろう あの呼び声の許へ

こんな言葉やあんな仕草を交わしながら
僕たちはいつも旅の途中にいる

どうして心は こんなにも空高く飛べるのだろう2

体は泥にまみれ地上に朽ち果てるのだろう
それでも心は 海の上だって軽々と歩くのだろう
その昔 イエスがそうしたように

 


1. 『精神的マスナヴィー』1-566.

2. 中世キリスト教神秘主義でいうところの「内的上昇( introsum ascendre )」。