精神の撹拌

『ルーミー詩撰』
メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー

精神の撹拌 1

 

真理は虚偽の中に埋もれている、乳脂の味が乳漿に潜むように。
虚偽とは儚いこの体、真理とは気高いその魂。
幾年にも渡り、乳漿ばかりを視界に追い求めているうちに、
乳脂は徐々に消え去ってしまう、まるで最初から何も無かったかのように。
神がそのみ使いを、選ばれししもべを遣わしたまい、
壺の中で乳漿をかき混ぜるようにとお命じにならぬ限りは ––

定められし順序と技術に従い撹拌せよ、
そして隠されし真のわれ自身をわれに教えよ。2
たとえ乳漿が古びていたとしても捨てるな、
乳脂の結晶を得るまでは決して捨てるな。
上に下に、右に左に撹拌せよ、
諦めて、やがて秘密を明かすまで。

いつかは朽ちる儚いこの体は、不滅の魂の証しであり、
酔客のとりとめもない長話は、酌人の存在の証しである。

 


1. 『精神的マスナヴィー』4-3030.

2. 弟子の中に潜在的に眠っているその精神的な諸性質を育て、引き出すことがスーフィー導師の務めである。それはちょうど幼児が、その母親の語りかけを聞いて話すことを学ぶのと同じである。