真理は我らの裡に

『ルーミー詩撰』
メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー

真理は我らの裡に 1

 

木立は繁り枝には果実あふれ
蔓草は曲線を描いて緑に光り
スーフィは一人、木陰に座す
瞼は閉ざされ、頭は膝の上に
瞑想の海深く沈んで動かない

何ゆえに、と、問う者がある

何ゆえに目を閉じているのか
慈愛に満ちた神の御しるしを
探し求めていたのではないか
目を開け、汝の周囲を見渡せ
これぞまさしく神の御しるし

それなら、と、その人は言う

御しるしなら常にここに在る
これ、という形や印も無しに
我が体内の奥深く、心の中に

巡る季節を映して梢が揺れる
世の美とは姿や形に宿るもの
次から次へと移り変わるもの

唯ひとつ、完璧なる人の胸に
永遠に輝ける果樹園を除いて

 


1. 『精神的マスナヴィー』4-1358. 初期の神秘主義者ラービア・アル=アダウィーヤの伝説として語られる寓話。ある春の日に、彼女は家の中に引きこもり頭を垂れていた。「外へお出かけになりませんか」、彼女の女召使いが話しかけた。「神の造りたもう美をご覧になってはいかがですか」。ラービアは答えた、「中へ入って、美を造りたもう御方をこそご覧なさい」。