懐疑主義者

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 懐疑主義者 1   「嘆きの柱」を信じぬ哲学者は、 聖者の諸感覚には縁がない。2 メランコリアが人々の心に影響を及ぼし、 様々な幻想をもたらすのだと...

愛することと、恐れること

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 愛することと、恐れること 1   神秘主義者が玉座に昇るには ほんの一瞬で事足りる これが禁欲主義者なら 一日の旅程に一ヶ月を費やす 禁欲主義者にと...

魂を導く者

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 魂を導く者 1   預言者がアリーに言った。 –– アリーよ、神の獅子よ、 おまえほど、勇敢な騎士はいない。 だがアリーよ、自らの勇気を恃みとするな...

感じることと、考えること

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 感じることと、考えること 1   誰かがザイドの頸を強く叩いた。 拳を構えて振り返るザイドに、 「待てまて」、ザイドを叩いた者が言った。 「まずは私...

きらきらひかる羽飾り

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー きらきらひかる羽飾り 1   「全部ゼンブ、引ッコ抜イテシマワナキャ」、孔雀ハ泣キ叫ンデソウ言イマシタ。 「コンナ豪奢ナ羽、ワタシヲ自惚レニスルバカ...

精神の撹拌

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 精神の撹拌 1   真理は虚偽の中に埋もれている、乳脂の味が乳漿に潜むように。 虚偽とは儚いこの体、真理とは気高いその魂。 幾年にも渡り、乳漿ばかり...

進化の道程

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 進化の道程 1   最初にかれがあらわれたのは無生物の領域 そののち植物の領域にはいりこみ しばらくのあいだ 植物の生を生きていたが その間じゅう自...

スーフィーは知っている

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー スーフィーは知っている 1   叡智とは、真に信じる者たちの失われし駱駝である。2 彼らは、「それ」が何であるかを熟知している。 故に「それ」につい...

時の宇宙

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 「時の宇宙」1   ありとあらゆる瞬間に、あなたは死と再生を繰り返す。 預言者も言った通り、「この世はほんの一瞬に過ぎない」。 われらの思考は御方に...

神の美について

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 神の美について 1   王侯たちは大地に口づける、 大地は美をもたらすがゆえに。 神がその極上の杯から美をひとしずく、 埃まみれのこの大地に混ぜ合わ...