死せる者の嘆き

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 死せる者の嘆き 1   人の世の貴公子が語るには この世を去りし者のうち 死せることを悲しむ者は一人としていない 否、彼らは悔やんでいる 惜しんでい...

「白川夜船」

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 「白川夜船」 1   長いこと、同じ町に暮らす男が今夜も眠りにつく。 眠りについてすぐに男は、全く別の町を夢に見る。 良いもの、悪いものであふれんば...

「心の絆」

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 「心の絆」 1   幸せなひととき、 宮殿に共に座るあなたと私。 姿はふたつ、影もふたつ、 けれど魂はひとつだけ、あなたと私。 あなたと私、庭を歩け...

恋の在り処

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 恋の在り処 1   泣く以外にすることなんか何もない あなたがいない なんて まるで陽が沈んで光を失った夜の空のよう あなたは少しも優しくはないのに...

音楽の記憶

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 音楽の記憶 1   ある人は言う、私たちの耳を心地良くくすぐるナイもリュートも、 突き詰めればその旋律は、回転し続ける宇宙より受け取るのだと。 だが...

葦笛の歌

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 葦笛の歌 1   葦笛を聴け、それが奏でる物語を、 別離を悲しむその音色を。 葦笛は語る、 –– 慣れ親しんだ葦の茂みより刈り取られてのち、 私の悲...

附記

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 附記 ルーミーの息子スルタン・ワラドが記した長編の物語詩『Ibtida-namah(始まりの書)』は、ルーミーの伝記資料として最も興味深いものである。また詩人...

解説

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 解説 I ペルシャの最も偉大な神秘詩人、ジャラールッディーン・ルーミーがこの世に生まれたのは1207年、ペルシアの北に位置するホラーサーン地方の都市バルフでの...