読み下し:「クルアーンの植物」より きゅうり

第6章 11. きゅうり

クルアーンにおける名称:Qiththa(キッサー)

通称:Khiyar (Arab. & Pers.), Concombere (Fr.), Cetriola (It.), Gurke (Ger.), Cucumis (Lat.),  Sikvos (Gr.), Kishium (Heb.), Kakri (Hindi & Urdu), Karkati (Sans.), Ogurets (Russ.), Pepino, Cohombro (Sp.), Kankur (Beng.), Kaakri (Mar., Guj), Mullu-dosikai (Tel.), Mullvallarikai (Tam.), Ville-Rika (Mal.), Ketiman (Indonesian), Dictiotos (Gr.), Acur, Shamam (Turk.), She xing tian gua (Chin.), Slangen Meloen (Dutch), Cocomero (It), Kita (Turk)

学名:Cucumis Melo var. utilissimus Duthie & Fuller (Syn. C. utilissmus. Roxb.)/C. melo L. subsp melo var. flexuosus (L.) Naudin(科名:Cucurbitaceae, ウリ科)

クルアーンにおける章句:2章 雌牛の章 61節

「ムーサーよ、わたしたちは、一色の食物だけでは耐えられないから、地上に産するものをわたしたちに与えられるよう、あなたの主に祈って下さい。それは野菜、胡瓜、穀物、れんず豆と玉葱である。」・・・

アラビアとエジプト全土においては、古代より何種類かのウリが栽培されていた。ひょうたん、マスクメロン、スイカ、カボチャ、キュウリなどがその一般的な例である。上記の節では、レンズ豆、タマネギ、ニンニク(注)と一緒にキュウリへの言及がなされている。これらは預言者モーセと共にシナイの砂漠をさまよっていたイスラエルの子らが、彼らが逃避してきた地エジプトに住んでいた頃によく食べていた野菜であった。

きゅうりは生食のほかに調理することも可能である。90パーセント程度の水分と3パーセントの炭水化物を含み、タンパク質は1パーセント未満、脂肪分はごくわずかである。きゅうりには冷却作用と利尿作用がある。サラダの材料として高く評価されている。

サヒーフ・ブハーリー、サヒーフ・ムスリムといった伝承(ハディース)によると、聖アブドゥッラー・ビン・ジャッファールが、預言者ムハンマド(彼の上に平安あれ)が熟れたなつめやしをきゅうりと一緒に食べているのを見た、と伝えている。

・・・食べたり飲んだりしなさい。だが度を越してはならない。本当にかれは浪費する者を御好みにならない。(クルアーン6章31節)