大掃除と英語本と

本棚をわっせわっせと掃除している。本棚って、けっこうホコリがたまるのよね。我が家に、ミシンが来てからというもの、なおさらホコリが沢山たまるようになった気がしている。

整理整頓していると、「何故このような御本がわたくしの部屋にあるのか」みたいなのとかも出てくる。「そういえば、何となく読んだかな」というようなのもある。そういうのは、ダンボール箱に詰めてしまうことにした。詰めた後のことは考えていない。焚書でもしてみようか。

ちらほら、翻訳まわりの御本も出て来た。

ひとりぼっちの英語人生 (続) (ブックス フォー ミリオンズ シリーズ)
これは図書館のリサイクル資料箱にあったのを拾ってきたやつだ。著者の村田聖明というひとは、ジャパンタイムスの論説委員を務めた方なのだそう。1984年初版となっているから30年前の御本で、日本英語教育協会というところが作っているのだけれども、前書きに、

・第一に、言語の二媒体(音声と文字)性を理解し、いずれの媒体をも偏重しないことの重要性
・第二に、発音記号による母音、子音の解明を通じて得られる効率的な発音習得

とある。本文は「文法大事だよ」「構文力大事だよ」というような、非常に地味なことが淡々と書かれていてすごくいい。発音記号については、学生の頃はとんとバカにしていた。としをとってからコーラン読みを習い始めた際に、そのことを猛烈に反省した。発音記号はちょうだいじ。ついつい、読んでしまって掃除が滞る。


翻訳—その歴史・理論・展望 (文庫クセジュ)

まあもうタイトル通りなのだけれど、この御本自体が仏語からの翻訳だから(クセジュクセジュ)、書かれている歴史も理論も展望も仏語圏のそれということになる。

最後の方で、2001年11月にパリで採択された「文化の多様性に関するユネスコ世界宣言/第12条」というのが出て来て、ユネスコの行動計画のひとつとして「母国語を尊重しつつ、教育のあらゆる段階において、可能なかぎり言語の多様性を奨励し、低年齢からの複数の言語学習を促進する」というのが引用されている。

「低年齢からの複数の言語学習(後述)」は、きちんと教師を雇って金と時間を惜しみなくつぎ込めばうまく行くのかも知れない。でもうまく行かなかった場合、「うまく行かなかった」では済まなくなると思うとちょっとひるむものがある。年齢が上がるにつれて抽象的思考が求められる割合がどんどん増してゆくから、学校の勉強に限っていえば、学齢で言うと中学2年あたりでぱったりと追いつかなくなる。

と、いうようなことを初回に読んだときも考えたよなと思いつつ、これいつ読んだんだったかなとぺらぺらとめくってみると「2009年7月1日(水)サンマルク・カフェ西新宿メトロ店 お土産チョコクロ」とかいうレシートが、背表紙とカバーの間から出て来た。17:19となっているから仕事帰りだな。お土産チョコクロだけ買って帰ればいいものを、「アイスチョコラテ」なども注文して寄り道している。本当にどうしようもないやつだ。そんなことだから、見ろ、三年経っても本棚整理とか言いつつ本読んじゃったり、全く成長がない。

あと丸善の藤岡啓介本とか岩波の新書とか出て来た。


英語翻訳練習帳 (丸善ライブラリー)
これはすごくありがたい御本で、これと似たようなのは無いかと探したものの、最初の数ページで放り出した『速読速聴・英単語』であるとか『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』であるとかが、奥の方からのそのそ出てきた。全然めくった気配がない。むごいことをした。

 


「低年齢からの複数の言語学習」について。メインとなる言語、サブとなる言語、という具合に、最初から決め打ちにして、10歳くらいまでにはメインが不足なく使えるようにしてあげるのがよい。

と、いうようなことを、昔に住んでいたご近所のアメリカン・スクールの先生が言っていた。特にそういう研究みたいのがあるのかどうかは知らない。しかしことにミックスのお子さんをたくさん見てきた、ひとりのおばあちゃん先生の経験上からのアドバイスと思えば説得力がある。

別のところに書いたのを、こちらに保存しました。