『スーフィーの寓話』
メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー
「一番美しい都」1
愛された女が、愛する男に尋ねた -
「ねえ、あなた。
あなたは色々な都を旅したのでしょう。
教えて、どの都が一番美しかったのかしら」。
男は答えた -
「決まっているだろう、恋人の住む都だよ」。
我らが王のために絨毯が敷かれる処ならば、
たとえそれが何処であろうとも、
針の目ほどの穴でも、広々とした草原となろう。
月のごとく麗しいユースフ2が住まうならば、
そここそが楽園となろう、
たとえ井戸の底であろうとも。
*1 3巻3858行目より。
*2 第15話・註1を参照。(以降、当該用語については註を省略する)