我欲について

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 我欲について 1   ナフスこそは、全ての偶像の根源だ。 物質を用いて造られた偶像が蛇なら、 観念の偶像は目に見えぬ巨大な竜だ。 偶像を破壊するのは...

正しき者の報酬

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 正しき者の報酬 1   ひとつ処に集められる審判の日、 正しき者たちが天使に尋ねる。 –– 天使よ、天使よ。信じる者も不信の者も、 同じ地獄を渡るの...

十と二の福音

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 「十と二の福音」1   イエスの宗教に仇なす輩が、十と二からなる書簡をしたためた。 書簡は最初から最後まで、互いに打ち消し合い矛盾し合っていた。 あ...

ソロモンの鳥たち

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー ソロモンの鳥たち 1   宮殿に飼われた鳥たちの議論は まるでこだまのように虚しい ソロモンの鳥たちは何処にいるのか 彼らの言葉は何処で聞けるのか2...

奈落へ墜ちる前に

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 奈落へ墜ちる前に 1   守護天使たちは、常に彼を取り囲んでいた。 彼の目に見えなかっただけのこと。 それが今や姿あらわに、看守のように彼を引き摺る...

希望の歌

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 希望の歌 1   船に乗り込み荷を積んだとき、 信頼の名の下に冒険が始まる。 旅の途中で溺れて終わるか、 陸へと辿り着けるのか、 あなたには知る由も...

スーフィーとは何か

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー スーフィーとは何か 1   スーフィーを自称する者たちがいる。 つぎはぎだらけの外衣に身を包み、それらしく振る舞う。 だが外衣の下には、歪んだ欲望を...

魂は唯ひとつ

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 魂は唯ひとつ 1   信じる者は数多くいても、信仰そのものは唯ひとつ 体は別々に離れていても、信じる者の魂は唯ひとつ 雄牛やロバのそれとは別に、人に...

眠りて目覚めよ

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 眠りて目覚めよ 1   毎夜、あなたは 魂を肉体の檻から解き放ち 染みついた記憶の埃を 跡形もなくきれいにぬぐい去る 毎夜、わたしは 肉体の檻から解...

真理は我らの裡に

『ルーミー詩撰』 メヴラーナ ジャラールッディーン・ルーミー 真理は我らの裡に 1   木立は繁り枝には果実あふれ 蔓草は曲線を描いて緑に光り スーフィは一人、木陰に座す 瞼は閉ざされ、頭は膝の上に 瞑想の海深...