Saudis Turn Birthplace of Wahhabism Ideology Into Tourist Spot
サウジアラビアの首都リヤド郊外、イブン・アブドゥルワッハーブの生誕地ディリヤ(ディルイーヤ)の、政府当局主導での観光地化が着々とすすめられているよという記事を目にしました。行間からにがくてしぶい何かがにじみ出たいい文章だと思いました。
ディリヤというところは2010年にユネスコ世界遺産に登録されているんですね。「ディリヤの開発はサルマン新国王肝いりのプロジェクト」。「王族のナショナル・ナラティブ(国民的物語)」を補強する何か目玉となるものを、というので総経費5億ドルを投じて2年計画でやってる拡張工事、なのだそう。このプロジェクトが民草と過去の架け橋となり、「wrongly sullied」なシェイフ・アブドゥルワッハーブの名誉も回復できれば、というのがサウジ当局(というか国王)の意図するところ、……というような。
アブドゥルワッハーブ(と、彼の行った「宗教改革」とその置き土産)が良く思われていない、というのはいちおう分かってはいるのか。でもそれで思いついたソリューションが5億ドルの墓廟建設か。おうさまの足元に埋まっている黒くてよく燃えるあれよりももっともっとどす黒くてどろどろしたのが噴き出しそうになっている自分がいます。
でもね。いいんです。いいんです。
そうやって墓廟つくって、せっせとお参りしたらいいんじゃないでしょうか。「墓参はイスラムに反する」なんて言わないから安心してください。だって(1)わたしワッハービーヤじゃないし。だいいち(2)墓参はイスラムに反してないし。
御本人たちはワッハービーヤと呼ばれるのを嫌がるだろうしこれを墓参とみなされるのも嫌がるでしょうけど知ったことか。みんなまとめてディリヤに集約されてしまえー。