サルマン・ラシュディvsジョナサン・フランゼン

そういやサルマン・ラシュディ氏って今どうしてるのかな、と思って検索したら「サルマン・ラシュディvsジョナサン・フランゼン ツイッターを巡る文学っぽい戦争」と題された記事を見つけた。
Salman Rushdie Vs Jonathan Franzen: Twitter wars of the literary kind

ガーディアン紙でジョナサン・フランゼンというアメリカ人作家氏が、

3581「紙の書籍」というものについて、「すっかり絶滅危惧種になってしまった」と嘆き、アマゾンやフェイスブックやツイッターあたりを批判して、その流れでラシュディ氏について「すっかりツイッターべったりになっちゃっててもうほんと残念。もっとものの分かってる人だと思ってたのに」と書いている。

それに対してラシュディ氏が、

rushdie520「フランゼンさんへ。ぼくらはツイッターで十分楽しくやってます。あなたは象牙の塔で楽しくやってて下さい」とツイートして、それが500回以上RTされてるんだけれど、「フランゼン氏はツイッターをやってないので反論のしようがない。なので今のところラシュディ氏の勝ち。」と、いう記事でした。

「一方そのころ、ネオ・クルクシェトラであるツィッターのオーナーは笑いが止まらない。何しろこのサービスは現在100億ドルの資産価値があることになっている。100億ドルの戦場で、紳士淑女が毎日お互いに罵り合っている」。

勝ち負けはともかく、ラシュディ氏もフランゼン氏もどっちも文学地獄にいることには変わりがない感じするよな。


フランゼン氏がガーディアン紙に寄稿したという記事も読んでみたんですけど長い。長いよ。それはそれとして、これを「ツイッターを巡る論争」と要約しちゃうのはちょっと気の毒かなあという気もした。なんか、「世紀末ウィーンの代表的文化人」カール・クラウスに関する新刊を出すらしい。とっても長いんだけど、なんか“what’s wrong with the modern world”っていうタイトルだけでもう中身は読まなくて十分だったかも知れない。

……左翼の極北にいる人々は宗教を憎み、イスラエルは甘やかされ過ぎだと感じている。右翼の極北にいる人々は不法移民を憎み、黒人たちは甘やかされ過ぎだと感じている。同時に、今現在のこれほどまでにグローバル化した市場における経済のあらまほしき姿なんて誰一人として正解を知る者もいないし、我々の日常は混乱まみれで実質的な問題それ自体に辿り着くことも出来ていない。イラクの、ありもしない問題解決に何兆ドルも注ぎ込んだかと思えば、保険制度の問題については合意に至ることすらできていない。

やー。がんばって下さいよ。よっ、近代人。


年に一度か二度くらい、「そういやラシュディ氏ってどうしてるのかな」と検索するんですけれど、そうすると必ず何かしら誰かしらと喧嘩をしています。いつ検索しても、だいたい投げられた球を打ち返している。ちょう律儀。だもので、わたしにはラシュディ氏はなんかちょっと「いいひと」に見えてます。

別のところに書いたのを、こちらに保存しました。