やじうま

ひさしぶりに見たジョン・スチュワート。おひげの他は相変わらずジョン・スチュワート。

【米大統領選2016】ジョン・スチュワート氏、トランプ氏は「おとな赤ちゃん」
米ニュース風刺番組「The Daily Show」で昨年まで16年間、司会者を務め、米国政治に大きな影響力をもつコメディアンのジョン・スチュワート氏が9日、米大統領選で共和党候補になる見通しの実業家ドナルド・トランプ氏を「おとな赤ちゃん」と呼び、「大統領になる資格があるのかどうか」と批判した。その一方で、トランプ氏の台頭は民主党の責任でもあると釘を刺した。

シカゴ大学政治研究所の公開録音で、オバマ大統領の元顧問デイビッド・アクセルロッド氏のインタビューに応じたスチュワート氏は、政府は国民のために効率よく仕事ができるときちんと民主党が示さなかったことが、トランプ氏のようなデマゴーグ(扇動政治家)の台頭につながったと批判した。

「米国政治に大きな影響力をもつコメディアン」っていう文字の並びは普通におかしい。見出しの「おとな赤ちゃん」発言は、1時間ちょっとの公開録音のしょっぱなにありました。BBC記事内で紹介されている動画(部分)には字幕がついていて親切。BBCにほんご、最近はじまったばかりなのかと思ったら去年の秋からやっていたんですね。べんりべんり。

【米大統領選2016】トランプ氏、ロンドンのカーン新市長は「例外」と イスラム教徒入国禁止
米大統領選で共和党候補となる見通しの実業家ドナルド・トランプ氏は、全てのイスラム教徒の米国入国を一時禁止すると主張していることについて、新しくロンドン市長となったサディク・カーン氏は「例外」にすると述べた。イスラム教徒のカーン新市長は、トランプ氏が米大統領になったら自分は米国訪問ができないと懸念を示していた。

カーン市長は米誌タイムに対して、「アメリカを訪れてアメリカ各地の市長たちと交流したい」、「ドナルド・トランプが大統領になったら、私の信仰のために訪問が禁止されてしまう」と述べ、さらに「ドナルド・トランプのような政治手法」はアメリカで実を結ばないと「確信している」と付け加えた。

ムスリムの新ロンドン市長、トランプ氏の「例外」発言を一蹴
英ロンドンの新市長に就任したイスラム教徒のサディク・カーン氏は10日、米大統領選の共和党候補が確実視されている実業家ドナルド・トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止案で同氏を例外にすると申し出たことに対し、「私だけの問題ではない」として断る姿勢を示した。

カーン氏は先週の市長選で当選し、欧米ではイスラム教徒として初の市長になった。

10日の声明で「イスラム教徒についてのトランプ氏の無知な見解は英米両国の安全性を低下させる。世界各地で主流派のイスラム教徒を遠ざけ、過激派を利する結果になる」と批判。同氏の申し出に対しては「私だけでなく私の友人や家族、似たような背景を持つ世界中の人々にかかわる問題だ」と述べて、特別扱いを拒否した。

さらに「トランプ氏やその周囲の人々は、欧米のリベラルな価値観とイスラム教主流派は両立しないと思っているようだが、それは間違っていることをロンドンが証明した」と主張した。

ISISが「イスラム教主流派」の代表者ではないのとまったく同じで、カーン氏も「イスラム教主流派」の代表者ではないのだが。と、思ったら本人がちゃんとそう発言していた。

Sadiq Khan vows to help Hillary Clinton defeat Donald Trump
…Khan added: “Let me make it clear, I am not a Muslim leader or a Muslim spokesperson, I really am not. I am the Mayor of London.

“I accept though that part of who I am is a Muslim. I accept that in the current climate I have a responsibility to remind people that mainstream Islam is compatible with Western liberal values.”

米大統領選にロンドンの市長さんが何か口をはさんでいる。それはありにしても、しかしロンドンの市長さんが誰であろうがおまえにはほとんど関係がないだろう、と言われればもちろんその通りです。だがまあもう野次馬なので見てたいんだ。聞いてみたいんだよ色々。たとえばそうですね(※1)、カジュアルなところではヒジャーブについてとかハラール屠畜についてとか。ちょっと踏み込んで、アンジェム・チョーダリー的なHate Preacherにはどう対応していくんですかとか。そういやスレイマン・ガーニーさんってどういうひとなんですかとか(※2)。来年のロンドンで開催されるイスラエル大使館主催のテルアビブ・フェスには参加するんですかとか(カーン氏と共にロンドン市長選に出馬していた元国会議員のジョージ・ギャロウェイ氏は「ボイコットの一員として参加する」と言っていました)。それから忘れた頃になってふとスキをついては必ず表出してくる、アハマディアの皆さんに対する「イスラム教主流派」の皆さんのセクト主義的メンタルにどう臨んでいくのか、なども個人的には聞いてみたいところ。

 


(※1)同性婚についてはこれを支持するカーン氏を、「カリフ制復興」を党是とする政治団体のヒズブ・タフリールがすでに3年前に「(カーン氏は)イスラム的価値とムスリム共同体のためにならない」と批判していた(カーン氏の当選を受けて、最近の記事では「投票箱を通じて世界を変えるなどという希望にしがみつき続けるムスリムが未だに存在するということに驚愕せざるを得ない」と言っている)。

(※2)キャメロン首相に「この男はISの支持者だ(”This man supports IS”)」と非難されたスレイマン・ガーニーさんというひとは、IS支持者ではなく正確には「イスラム国家( “an” Islamic state)」支持者なんだそうです。キャメロン首相があとから自分の誤解だったと謝罪していました。まぎらわしいね。ちょっと気の毒。